るみちゃんの未来の自分へ

エタップデュツール(レース編)




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 7月20日(日)


エタップ当日。(集合写真はあえて解像度を低くしています)
起床は3時半、4時朝食、5時出発。

ホテル側も朝食の準備を早めにしてくれて、しっかり食べられた。(朝食は連泊中、ずっと同じメニュー)


5時に出発したが、さすがに日の出はまだで、周りは真っ暗。
レーサージャージに身を包み、バスへ乗り込む。嫁も一緒にバスへ。

会場着は6時過ぎ。
バイクを下ろし、バスとはお別れ。

嫁はバスに乗り、ゴール地点へ移動。
こちらはスタート召集地点に移動し、
スタートをひたすら待つ。

1000人単位で一くくりのようで、結構な大集団。
それでも1万人以上の参加者なので、7時からのスタートで
結局自分がスタートできたのは7時35分あたり。



1000人一組で約10分差スタート。
マイクでいろいろしゃべっているのだが、
フランス語なのでさっぱり分からず。

「へぃ、ヤローども、力尽きるまで全力で走ってこ〜い!」

とでも言っているのだろうか・・・。やたらテンションが高い(^_^;)



でも5000番代に日本人グループがいると
分かったのか、日本語で「日本人がんばって」の
アナウンスが流れた。メルシー♪

序盤はアップも無くスタートしたので、
感覚がつかめず。前日も走ったわけじゃないので
自分の体調がさっぱり分からない。


テキトーに飛ばし気味で前へ前へ進むが、結構いい感じ。
レースじゃないので、別に飛ばす必要もないのだが、一応足切りもあるし、できるだけ先へ進む。

ペースはや まさんを参考にしたが、これまたや まさんも結構なハイペース。

このペースで走るの??と思っていたら、
そのペースのまま走られて、自分はちぎれてしまった…。
(結局、や まさんはオタカムの登り口地点を、ツアーメンバーの中で
 3位で突入したとの事なのでかなりのペースだったよう。)


第一エイドは混むと聞いていたので、 停まらずスルー。

20km地点くらいまでは常時38〜40
km/h巡航くらい。

トレインになったり、単独になったりと特に
同じグループで走るという事はなかった。




(↓この登坂入口看板にはだまされた。平均4.5%かと思ったらしょっちゅう看板が出てきて斜度がどんどん上がっていった。常設。)

50km地点にあるエイドステーションで小雨が降り始めた。足はそろそろ限界に近い。

最初、HPの画像から平坦基調というコースレイアウトに見えたが、実際に走ってみると、結構しっかり登らされる峠が5つ。

ツールマレーが超級山岳なのだが、そこに着くまでに足が売り切れで、先が厳しそう。
実際30km地点で一度足が攣りかけ、ペースダウン。

ツールマレー峠の上りは序盤は4〜5%と緩めなのだが、じわ〜っと斜度が上がっていき、山頂付近では10%越えも出てくる。オーバーハングっていうのかな。
結構いやらしい斜度の変化だった。

サラ足だったら多分楽しい登りなのだが、 今回はすでに売り切れた足で登ったので本当にきつかった。

また、ツールマレー峠の登り初めから雨が降り始め、後はずっと雨だった。


気温は標高が上がるにしたがって、どんどん下がっていき、寒くなってきた。

峠から手前4km地点くらいにエイドステーションがあったのだが、知らない人が「ツールマレーの峠はダウンヒルがスリッピーなので気をつけてね〜
と声をかけてくれたのに・・・やっちまった・・・orz。






峠で写真を撮ってダウンヒル開始。
峠から1kmくらい下った所の左カーブで見事にすってんころりん。ガードレールも無いので、道からはずれ、岩肌の方に滑っていった。

礫のように細くとがった砂利が多く、傷は擦過傷なのだが、刃物で切れたような傷が結構目立った。

ジャージの下で血が出ている感覚があったが、見たら走る気を無くすので、あえて見ずにバイクのチェック。周りの選手が大丈夫か!?と聞いてくれるが、大丈夫だよ〜と空元気を振りまいておく。

バイクの方はブラケットが内側に入ってしまっているが、ブレーキは問題なく利きそう。

他にブラケットの先端カバーが破損して紛失してしまっていたが、それそのものは走りには特に影響がないので無視。

ホイールも振っている様子も無く、シフトチェンジも問題なし。
というわけで、リタイヤ無しでダウンヒルを開始。

雨が降っているので、前がほとんど何も見えず、オートバイが キリが濃いから気をつけて下ってね〜と案内看板を出して颯爽と下っていくのみ。

おいおい、日本のイベントだったらもう中止になっているよ・・・



打撲と擦過傷が痛く、体温も下がっていたので、散々な状況と言える状態だったが、ふもとまで行かなければ体温も上がってこない。

無理やりバイクにまたがり、惰性でくだっていく。
あちこち痛い。ブラケットも曲がっているし…。

ああっ、おニューのチームジャージが…


ああっ、おろしたてのシューズカバーが…
ああっ、今年新調したばかりのブラケットが…


ショック・・・orz


下山中、民家に立ち寄り、古新聞を何枚かもらい、ジャージの中にいれる。防寒具の代わりだ。

入れたことで多少マシになったが、下山を終わらせないと根本的な問題解決になっていない。コーヒーも飲んでいく?と聞かれた(と思う)が、ここで家の中に入ってしまうと二度と家から出られなくなりそうな気がしてお断りした。

山小屋のような建物(閉鎖中)があったので、 一旦停まり、休憩。震えが止まらない。バイクから降りると足が攣り、身動きが取れない。

数分間しゃがみこんで体温を少しでも上げ、下山再開。



ふもとまで降りてくると、気温も少しはマシになっていたのだが、雨が止まない。
町に入り、公民館のような所があり、みんながそこへ吸い込まれていく。バイクから降りて、自分も入ってみる。

そこはもう野戦病院の様相で、エマージェンシーシートを体にくるんだ人や、両脇から人に抱えられて、意識を失いかけている人など命がけのイベントになっていた。

かくいう私も限界がきていて、もうここでやめようかとも思ったが、
人の体温で部屋が若干温められており、しばらく室内にいると
結構動けるようになってきた。

覚悟を決めて建物から出ると、やっぱり泣きそうな位寒かった。
もうどうにでもなれと下山を再開した。

震えながら走り続けると勾配が緩くなり、路面もややドライの ところが出てきた。


平野部に戻ると完全に日が刺していて、ん?雨なんか降っていたの?
ってくらいの状況。周りには防寒用のビニール袋の残骸や、エマージェンシーシートの残骸が散乱していたが、数枚拾い、ジャージの中へ。これでかなり体温ももどり、何とか前へ進める感覚が戻った。

ラストの登り直前のエイドでは円道にたくさんの人だかりが。
どうやらゴールした人が戻ってくる地点とも一緒になっているらしく、嫁の姿も見えた。


話を聞くと、自分でツアーメンバーの中で7〜8番目らしいが、
多分そうだろうというくらいのもんらしい。

最後のエイドは人ごみがすごく、歓声もすごかった。
本当に自分がツールの選手になったかのような感動。



長めに休憩をとり、ラストのヒルクライム開始。

序盤は体温も戻りつつあったので、調子は最悪の状態を脱していたのだが、半分くらい登った所から再び小雨のような雨が降り始め、体温低下。

そんな感じで途中で休憩しようと止まったところで、や まさんの声が聞こえた。

見ると、キャンパーの横でいすに座って震えるや まさんの姿が・・・( ̄Д ̄;;
な・・・何?


嫁の話ではや まさんはツアーメンバーの中で
3番手でラストの山岳に入ったと言っていた。

なんでこんな所で止まっているの??







話を聞くと、低体温症になり、動けなくなったそうな。
沿道で観戦していたキャンパーの方に暖かいドリンクをもらっているようで、一応大丈夫そう?

でももう上には上がれないということで ここで体温が戻るのを待つか、回収車が来るのを待つかどちらかにするとの事。

とりあえず、自分が先に上まで行って、
エマージェンシーシートを拾ってや まさんに届けることに。

や まさんの止まっていた所から、山頂までは5kmくらい?


必死こいて走ったが、何せ練習不足。

時速10km/hにも満たないスピードでひいこら言って何とかゴール。(山頂付近にテキサスグレーチングがあった)

下りでやまさんと合流し、登りで手に入れたエマージェンシーシートをやまさんへ。

一緒に下ることに。写真を撮りつつ下山。



バスに戻り、完走メダルと完走賞をもらって、イベント終了。

とても大変なイベントだったが、日本では見る事のできない景色、大会の雰囲気を味わえ、いい経験ができた。

嫁も何時間も待っていてくれて感謝感謝。

宿までのバスでは即効で就寝。
一瞬で眠りに落ちてしまった。

宿に戻り、風呂につかり、簡単なお菓子を食べて就寝。
お疲れ様でひた〜zzz。

距離:168km(下山含む)
時間:8時間30分(実時間9時間ちょい)
MAX:69.8km/h
Ave:19.6km/h


 【 旅編7月21日に続く 】