るみちゃんの未来の自分へ

名古屋鉄道美濃町線(2))


散策日:2019(R1)年7月20日(土)
名古屋鉄道 美濃町線【岐阜柳ケ瀬〜美濃】(H17年4/1廃止)
位置:岐阜県岐阜市〜美濃市
距離:25.1km
移動手段:自転車


 (駅名 wikiより→)


約9年ぶりの探訪。廃線になって14年経っている。
夏直前という事で、草が伸びて廃線跡や駅跡が分かりづらかったのは失敗だった。
やはり廃線を見に来るのは冬か春前が一番いい。

車は岐阜市役所駐車場にデポ。
北一色駅までは前回調べて痕跡が残っていない事が分かっていたので、今回は完全にスルー。
北一色駅跡から写真を撮る事にした。とは言っても北一色駅も残っている訳ではないが、前回見落としているようだったので、今回は止まって確認。やっぱり痕跡は残っていなかった。

また今回知ったのは、新関駅から美濃町駅までは先に廃線になっていて、新関駅から岐阜の方は最後まで残っていた線だったという事。
廃線の鮮度が少し違うらしい。


【 北一色駅 】
北一色駅跡は痕跡は何もないが、交差点名が「北一色」と書いているので、場所の特定はできる。走っていた当時は知らないが、どうやら道路の中央を線路が走っていたらしい。


@古い写真を見ると、中央の白線あたりを走っていたようだが、アスファルトの境目くらいしか痕跡が残っていない。

線路が無くなった今は道幅が広くなり、車では走りやすそう。


A線路が道路から離れていく。キロポストが残るが、数字は読み取れない。2010年と同じ位置から撮影。右の写真は同じ位置から南西方向。
※マウスのポインタを置くと、2010年の写真になります。

B少し道路を進み、左折して線路跡へ。線路沿いに生活道が伸びる。

【 野一色駅 】
野一色駅は古いホームと新しいホームの2カ所存在する。古いホーム跡は崩壊が始まっており、板が腐って落ちていた。新しい方の駅はここから北に100mほど進んだところにある。

こちらが新しい方のホーム跡。駅が移動したらしい。
2010年の時はまだ屋根が残っていたが、撤去済みとなっている。
道路の雰囲気から、ここは生活道路に飲み込まれる予感がする。

C野一色駅から先に進むと踏切跡が出てくる。左は東方向。右は西方向

C踏切に残る住宅地図。線路も残る
D神社の参道とクロスする地点。線路跡に石灯籠が建てられている。

E再び県道92号と並走する。9年前と変わりなし
E同じ位置から西向き。レールが撤去されている

F雑草が伸びていてバラストが見えづらいが、カーブはそのままの形で残る。

琴塚駅が見えてきた。

【 琴塚駅 】
琴塚駅のホーム。9年前は屋根やミラーが残っていたが、撤去されている。
ホームには上がれないようにバリケードがされている。

レンガがちらっと見える。梅雨も後半になり、緑が増えすぎて、痕跡が見えづらい。
来るタイミングを間違えた・・・。

G琴塚駅を出ると東向きから北向きに変わる
H9年前は工事中だった歩道も完成している


I痕跡は皆無になる。
おそらく歩道のあたりが線路跡と思うが、それを確信に変えてくれるものは何もない。

【 日野橋駅 】
日野橋駅は9年前来た時にはすでに痕跡が無かった駅。
現在の目印としては陸橋がかかっている所が目印となる。

日野橋は、そのまま残るが新たに金属の欄干(?)が設けられていた。
う〜ん、風情なし・・・。左は北向き、右は南向き。凹んでいる所が日野橋バス停。

J青い標識があるあたりが、日野南6交差点。今回は交通量が多く、交差点では写真を撮っていない
K交差点を過ぎて岩田坂が始まる。9年前は余裕だった坂も、今はきつい斜度。


L坂の途中。
斜度は29.4パーミル。9年前は坂とも思わなかった区間が、やたらきつい。この先に岩田坂駅がある。

9年前に来た時に、この区間は消えてなくなるだろうと予想していたが、消えずに残っている。ちょっと意外。

【 岩田坂駅 】
バス停がある所が駅跡。ホームは雑草に埋もれてしまっている。
往路でここを見落としてしまい、復路で止まって撮影した。
交通量が多く、なかなか止まる事ができない。目印は郵便局。

位置関係はこんな感じ。郵便局の向かいが駅跡
郵便局の隣に残る住宅地図。駅がまだ残っている

この岩田坂の区間は、すぐ横に新しいバイパスができているのにも
かかわらず、交通量が多く止まって撮影するのはかなり危険。
路肩も狭いので、見に来る方は要注意。バイパスが完全につながれば
もう少し交通量が減ると思うのだけど…。

岩田坂駅を過ぎると、一気に坂を下りだす。



M北方向。踏切跡の看板が残る
M14年前の看板がまだ消えずに残っている。意外に耐久性あるの?

N坂を下ってきたところ。岩田坂方向
N同じ位置より岩田駅方向。線路は撤去されている


Oサイクリング的にはNの左の細い道で走ればいいのだが、廃線散策なので、交通量の多い右の国道を選択。

しばらくこんな感じ。道路は国道156号線。

【 岩田駅 】
岩田駅は現在もホームが残る。バス停になっているのですぐに分かる。
ただ、ここも夏前で雑草が伸び放題。バラストがあった所には雑草が生えないようにシートを敷いている。MTBなら乗って行けるかも。

P岩田駅からちょっとだけ緑のシートが敷かれているがすぐに道路に吸収されてしまう
Qここの交差点は変化なし。角にコンビニがあるのは9年前と同じ。


Rバラストがあった所には、雑草除けのグリーンのシートが敷かれている。日中はいいけど、夜になったら自転車で走るの怖そうだよね・・・。

交通量は結構あり、直線が続くのでスピードも速い。自転車で走るには割と気を使う区間。

S国道から線路が離れていく。古い街並みに入るので、交通量が減り気が少し楽になる。この辺りは9年前と変わりない。

【 下芥見駅 】
下芥見駅は駅前が結構広かったようで、現在は雑草王国になっているが、かなり広かった事が分かる。

石畳や線路は撤去されていて、アスファルト舗装になっている。それ以外は当時のまま。ベンチも残るので、ちょっと手を加えれば、いい公園になりそうな気もするが・・・。

21)下芥見駅から芥見小学校の途中の踏切跡。用水路が流れているが、地図で調べてみると各務用水という名前で記載されている。長良川から取水しているのか、長良川に注ぎ込んでいるのかちょっと分からないが、この水路は上芥見駅の方まで伸びていた。

22)芥見小学校の北側。斜度表示が残る
22)同じ位置から南向き

23)農地に沿ってカーブしていく。ちょっとじぐざぐになるが、自転車でたどれる
24)川にあたる地点下芥見方向


25)川を渡って、廃線跡に復帰。9年前にも勘違いしたが、どう見ても廃線が2本あるように見えて仕方ない。この時は全然理解できなかったが、5分後先に進んだところで、思い出した。


26)太陽光パネルがずらっと並んでいるので、どうみても廃線跡に見えたのだが、先に進んだところで踏切があり、坂を上がってみると、水路に当たった。

高架化になった線路跡と思っていたのは水路だったのだ。嗚呼勘違い。

【 上芥見駅 】
上芥見駅は路面電車のようなホームだった。ここは記憶に残っている。ホーム跡は確認できず、雑草もかなり生い茂っていたので、痕跡は確認できなかった。
地面に埋まっていた線路はやはり撤去済みとなっており、ここから先はしばらく痕跡が無くなっている。

ちょうどこのあたりにホームがあったハズなんだが・・・。
草が伸びすぎて分からず。雰囲気としては、ホーム跡も撤去済みのような気がする。

27)9年前も線路は残っていなかったが、アスファルトの境目は見えていた。今回は全然分からず
28)線路跡はアスファルト舗装の下にもぐっている。上芥見駅からこの効果まで草地が線上に続くが、ここは線路跡ではなく電柱跡

28)高架横を通る。草伸びすぎ・・・
29)ここの景色はほとんど変わっていない

30)津保川を渡る。橋がないので、少しだけ東に進みぐるっと回って対岸へ
31)下水処理場の先の行き止まり。

下水処理場の脇を自転車を担いで通り、廃線沿いに進む。車は通れない。

31)同じ位置より北向きに撮影。以前は電柱が残っていたよう
32)下水処理場の北側

33)斜度表示はそのまま残る。線路跡は農家の人が有効活用していた…。
34)白金駅手前の踏切跡。線路がまだ残るのだが、この三角の構造物はなんだろう??対角線上にも残る。

【 白金駅 】
白金駅は民家とセットになっている駅。ホームは石板が敷かれていて味がある。
駅横の踏切跡は道は細いが、時々車が通る。ここの景色は9年前と変化なし。

35)廃線跡は白金駅から200mほど進んだところで県道287号と合流する。
  合流後は歩道に飲み込まれて舗装されている。


36)そのまま進むとT字路で国道156号と交わる。廃線跡は国道沿いに伸びる
37)何故かバラストが残る所もある。不思議な空白地帯

【 小屋名駅 】
明らかに駅があったであろう場所。国道と一般道に挟まれて、妙に広い敷地が残る。近くに小屋名バス停もあり、多分この変だと思う。前回来た時はスルーしてしまっているので、現在の風景とは違っていたと思う。右の写真はピンボケ・・・。

小屋名駅の先は大きな交差点になっており、国道と県道に分かれる。
廃線跡は県道の方に右折していく。往路では横断歩道を通って右折したので分かりづらかったが、復路では車道を走ったので廃線のカーブが体感できた。


38)小屋名交差点を東に進むとカイインダストリーが出てくる。刃物の町の有名なメーカー。医療関係などの商品も作っている。写真右は小屋名交差点方向。微妙に線路のカーブが分かる・・・かな?


39)小屋名交差点から先は、廃線跡は綺麗さっぱりなくなり、代わりに青く塗られた自転車道が関駅の方に向かって伸びる。舗装も綺麗なので割と最近工事が完成したような雰囲気だった。

ただ、この自転車道、交差点のたびに高い段差を越えるので、衝撃が大きく、またまっすぐ走れないので使いづらい。設計した人は多分自転車に乗らない人なんだろう。

【 赤土坂駅 】
ここも前回はスルーしている。今回もバス停が無ければ、止まっていないと思う。
地図上では細めの水路のすぐ西側に位置するよう。このバス停も近くに水路があった。

【 新田駅 】
ここは赤土坂駅よりもっと分かりづらかった。バス停も微妙に外れているし、痕跡が無いし・・・。しいて言うなら、床屋さんの向かいが駅跡だったよう。過去の写真と見比べても多分位置は合っている。


40)「交差点:栄町3」。過去の写真とは撮影ポイントが微妙にずれているが、大体近い位置。いろんな建物が建っていたり、道が綺麗になっていたりでかなり分かりづらい。

41)左の写真、水色の軽自動車が停まっている位置が廃線跡。右の写真、ブロック塀の奥に向かうラインが、廃線の方向。完全に駐車場になっている。


42)右の駐車場の並びが線路跡。家が建っていたり、駐車場になっていたりする。

線路沿いだった道はそのまま生活道として残るので、自転車でこの位置に来るのは容易。
車で来ると、ちょっと迂回しないと来れない。

【 新関駅 】
駅舎はすべて無くなっており、左の写真の家が建っているあたりが駅舎跡。昔は駅前にタクシー乗り場があったので、現在、線路跡に建つタクシーの運転手に話を聞くと、やはり駅だった所は住宅が建っているあたりなんだとか。すでに住まれているので、敷地を調べる訳にもいかない。(そこまでしてどーする(^_^;))

3軒くらい並んでいるあたりが新関駅、ホームだったあたり。右の写真の一番右端に写るこげ茶色の屋根のあたりが、駅の正面だったあたりらしい。住宅になっていたので今回はそちらへは行かなかった。
妙に空き地が広いが、ここはホームからはすでに離れている位置なので、ぱっと見た目、勘違いしやすくなっている。

43)新関駅方向。過去写真とは向きが違うが、過去写真ではホームの奥に川らしき柵が見えている。その柵がこの川。
43)ここの橋台は撤去されない様子。まあ頑丈だろうしね。そのまま関駅に線路跡が伸びる

44)線路は東向きから北向きに方角を変えていく。
45)県道281号とクロスする地点。アスファルトも敷き直されている

線路はここで北向きと関駅向きに分岐する。
とりあえず先に目の前の関駅に行くことにした。

【 関駅 】

関駅と線路が繋がっていたかは知らないが、9年前に訪れた時、列車が停まっていた位置には自転車置き場ができていて、線路は短くなっていた。右の写真は南向きだが、このスペースは変わっていない。
列車が停まっていた位置。線路は見えない。この奥に関駅の自転車置き場ができている。ホームへはそのまま入れるが、先を急ぐのでホームには立たず。

関駅を出て、そのまま県道281号を北上。

線路跡は全て歩道になったか、車道になったかで、跡を探す事はできない。関駅から美濃駅までは、前線廃線になる以前に廃線になっているので、痕跡は消えやすくなっている。

46)おそらくこの辺りを走っていただろうと思われる。左は北向き、右は南向き。
  ツーリングの風景としてはちょっと見どころのない区間。

【 下有知駅 】
ここははっきりとは分からず。道路の脇に妙な空き地が続くので、おそらくこの辺だと思うが・・・。駅の痕跡はそれ以外は見つけられず。写真左は北向き、右は南向き


ただ、左上の写真の続きは、左の写真のようになっており、そのまま線路が続いていたとなると、社が行く手をふさいでいる形になる。

どのあたりを線路が通っていたか、分かりづらい場所だ。


47)しばらくそのまま進むと、水路を渡る小さい橋が出てくる。その橋から線路が分岐する。ちょっと分かりづらいが、橋で一旦止まると、橋台が見える。写真左は北向き。右は南向き。


48)下有知中学校の少し手前で県道281から離れていく。
この先は廃線跡の有効活用として自転車道として残るので、消える事はない。

【 神光寺駅 】
ここは完全にスルーしてしまい、かなり奥まで進んでから戻ってきて確認した。
9年前はホーム跡が残っていたのだが、今回はホームがなく、更地になっていた。また、倉庫だった所に家が建ち、少しだけ風景が変わっていた。
写真左は2019年、右は2010年撮影。

49)自転車道になっているのは短い区間で、自転車道の終点も変わらず
50)水路にかかる橋桁は撤去されていて、雑草も伸びているので痕跡が分かりづらい。橋台は残るので、手掛かりはそれくらい

51)線路跡は、県道から東にそれていくので、市道に入り、線路とクロスする地点を探す。ここも雑草が伸びていて、分かりづらい。

52)51から線路沿いに走れないので少し迂回して細い道へ。
53)ここは線路跡が遊歩道として残る

【 松森駅 】
松森駅は住宅街の中にあり、枕木やホームはそのまま保存されている。
クリートで歩くにはちょっと歩きづらいが、運動靴なら問題ない。

54)松森駅を抜けると県道343号にあたり、保育園が見えてくる。近くには長良川鉄道が走る
55)東海北陸自動車の下をくぐる。廃線跡が自転車道になっているのはいいが、花壇やら水路やらでかなりジグザグに走らないといけない。自転車道というより散歩道と言った方がいい。


56)この先は未舗装だったが、今は舗装されていて、車が通れるようになっている
57)広い道に出ると、線路跡は無くなり、どこを走っていたか分からなくなる


58)坂を下ると目の前に美濃駅跡が見えてくる。静態保存された車両が目印。

線路跡は歩道のあたりかと思ったが、この並木の右側あたりを線路が通っていたようだ。


【 美濃駅 】
駅舎は木製だが、大事に保存されているようで、9年前と変わりなく建っていた。
内部は「どうしたん?」というくらい野口五郎さんのポスターや写真がたくさん飾られており、雰囲気は結構変わっていた。どうやら野口五郎さんの生まれた地らしい。

以前は車両内にはグッズ販売などがあり、ポスターも当時のまま残っていたが、現在はすべて撤去され、すっからかんになっていた。

車両は静態保存されているのだが、塗装が全く傷みなく綺麗なまま保存されており、定期的に手を入れているのが良く分かる。普通9年も雨ざらしにしていれば錆が出てぼろぼろになっているものだが、谷汲線の時も感じたが、とても大切にされてるのが良く分かる。

名鉄美濃駅保存会というのもあり、不定期で構内で店を出しているらしい。
今回は土曜に訪問したので閉まっていたが、掲示されているスケジュールを見ると翌日に開店する予定だった。おしい。

美濃駅周辺は町並み保存地区になっており、うだつのある街並みという事で
旧家が立ち並ぶ街を見る事ができる。
また長良川も近くを流れており、アユ釣りでもにぎわう地域のよう。

この廃線は野一色駅跡からは痕跡もそこそこ残っており、たどるのは難しくない。ただ、消えている区間も多く、見どころは関駅や美濃駅くらいか?
コース上にコンビニは少ないが、ゼロではないので、補給食を持って走る必要はないと思う。

岩田坂駅周辺の国道は交通量も多く、路肩も狭いので自転車で散策する場合は車に注意が必要。坂は斜度がそれなりにあるので、変速機がある自転車の方がいいと思う。

9年経っての再訪だったが、次に来たらまたどこか変わっている所もあるだろうと思う。風景の見どころは少ないが、美濃駅の雰囲気は好きなのでまた来たいな。

 お し ま い